【3分でわかるニッポンのお正月】お正月を遊ぼう! 楽しすぎてお上に禁止された「正月の遊び」の数々とは!?

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国芳 子供遊び
歌川国芳「新板子供遊びの内 春のあそび」(PD)
出典:http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19

お正月も3日目となると、おせち料理やテレビの正月番組にもだんだん飽きてきたという方もいらっしゃるのではないでしょうか? でも、子どもの頃のお正月はどうだったでしょうか? 子供の頃は、遊ぶ時間がいくらあっても足りなかったという方も多いのではないかと思います。家族や親戚が集まるお正月、子どもたちはいつもとは少し違う「お正月の遊び」で遊んでいたものでした。

たとえば「凧揚げ」。お正月に家の近所の河原や電線のない広場で、凧を揚げて遊んだという方も多いかと思います。実はこの「凧揚げ」は、とても歴史のある遊びなのです。日本にいつ凧揚げが入ってきたかは不明ですが、遅くとも平安時代にはよく知られる遊びになっていました。江戸時代には、大人も子供も凧揚げに夢中になり大流行し、一説には「参勤交代の行列の妨げになるから」という理由で幕府が禁止し、その代わりに、その参勤交代のないお正月に凧揚げが行われるようになった、といいます。また、凧揚げには、厄除けや、新年の運勢を占うというおまじない的な意味もあったそうです。

室内でも、いろんな「正月の遊び」がありました。その代表的なものが、「すごろく」です。そのルーツは気が遠くなるほど古く、紀元前三千年の古代エジプト。それが長い長い時を経て中国から日本に入ってきたのが奈良時代のことです。当時の「すごろく」は「盤双六(ばんすごろく)」といい、現在の「バックギャモン」に似たもので、ギャンブル性が高く、働かずにすごろく中毒になってしまう人が続出して、朝廷によってすごろく禁止令が発令されて廃れてしまいます。しかし、賭博性の低い、今日の「すごろく」に近い「絵双六」(えすごろく)として生きのび、江戸時代に大流行。庶民の娯楽になります。勝負がサイコロの目で決まるため、能力や技術に関係なく、老若男女問わず多くの人が平等に楽しめるのも愛される要因かもしれません。現在もその「すごろく」から派生したボードゲームや、コンピューターゲームとなって人々に遊ばれ続けています。

お正月のカードゲームといえば、「カルタ」ですね。カルタとはポルトガル語で「カード」という意味で、安土桃山時代にキリスト教の宣教師がもたらした、現在のトランプの原型にあたるものでした。現在も「天正カルタ」「うんすんカルタ」等の名前で各地に残っています。この「カルタ」の末裔で日本で独自進化したのが、図案を日本の花鳥風月に変えた「花札」。花札とトランプは非常に近い親戚なのです。一方、カルタの形状と、古くからの「貝合せ」などの遊びが融合して、読み札と取り札に分かれた「いろはがるた」や「百人一首」のような「かるた」が生まれました。

今日でも大勢集まった際に遊ばれることが多いカードゲームやボードゲームですが、一方で廃れつつある「お正月遊び」もあります。目隠しをして「もっと上!」「右!行き過ぎ!」などなど声をかけ、目隠しを外して大笑い……そう、「福笑い」。目隠ししてのっぺらぼうに目鼻を配置し、できた顔を見て笑うという「お正月遊び」ですね。江戸後期には人々に遊ばれ、明治時代にはお正月の楽しみとしてすっかり定着していたようです。「よりまともな顔を作った人」もしくは「最も面白い顔を作った人」が勝ちで、その場でどちらかにルールを決めて遊ぶのが「福笑い」の遊び方ですが、この遊びで重要なのは勝敗よりも、そこにいる人々の間に「笑い」を生みだす遊びであること。「笑う門には福来たる」というように、笑いには「幸せを呼び、邪を払う」力があるとされます。一緒にいる人を笑わせ、幸せにする遊びが行われなくなっているのは淋しいことですね。

ほかにも「こま回し」「羽根突き」など、現代の子どもたちには、ほとんど遊ばれなくなっている遊びがあります。もちろん、子どもたちが遊ばないのではなく、知らないから遊べないのです。古くから遊び伝えてきた「正月の遊び」もまた、伝統文化の一つです。これらの「遊び」を未来に伝えるためには、大人が子どもたちと一緒に遊び、ともに笑い、楽しい思い出を分かち合うことが、一番の方法なのかもしれませんね。

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