【3分でわかるニッポンの伝統工芸】福島:大堀相馬焼

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大堀相馬焼
出典:http://kougeihin.jp/item/0401/

豊かな自然と美味しい食べ物に恵まれた福島県相馬地方が、陶磁器の名産地でもあることをご存知でしょうか?

福島県浜通りの北部に位置する浪江町。豊かな自然に恵まれ、テレビ番組でアイドルグループが地元の人たちの助けを借りて「村」を作り、農作物を育てて話題になった地域です。その地に伝えられた生活の知恵がいかに豊かなものか、ということを番組を通して知った方も多いのではないでしょうか。その福島県浪江町大堀は、その地でとれる良質な陶土から作られる「大堀相馬焼」という陶磁器の産地でもあります。

「大堀相馬焼」(おおぼりそうまやき)の歴史は、江戸時代・元禄年間(1688年から1704年)ごろ、中村藩の藩士が大堀で陶土を発見し、それを使って日用品が焼き始められたことから始まります。

その大堀相馬焼の代表的な意匠に「走り駒」というものがあります。これは「駆け抜ける馬」ということなのですが、これは中村藩で行われている「相馬野馬追」(そうまのまおい)という神事に由来しています。この地を治めた相馬氏の先祖・平将門が野生の馬を敵兵に見立てて軍事訓練したことを起源とする神事ですが、その家紋は「走り駒」であり、作られた陶器には「走る馬」がシンボルとして描かれるようになりました。

大堀相馬焼の技術的な特徴としては「二重焼」(ふたえやき)というものがあります。文字通り「二重」の構造になっており、この技術で冷めにくい特性を持つ大堀相馬焼は民衆にも親しまれました。また、表面に入ったひびに、墨を塗りこむことで深みのある表情を出す技法「青ひび」の美しさは意匠である「走り駒」を際立たせ、特産品としても奨励され、農作と兼業するほどの多くの窯元が誕生しました。

幕末、戊辰戦争の影響で衰退してしまいますが、第二次世界大戦後に地元の人々の手によって復興し、昭和53年に伝統的工芸品の指定を受けています。東日本大震災でも大きな被害を受けましたが、職人さん達の知恵と情熱、努力でその歴史は途絶えることなく現在も作られています。

大堀相馬焼の器の馬は基本的に「左」を向いているそうです。「右に出るものはいない」という意味が込められているそうで、縁起物としても人気があります。先人の知恵、人々の温かさと、そして力強く生きる心が込められた一品を、お手にとってみてはいかがででしょうか?

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