ウルトラJ

2016.09.09

特集
【ウルトラインタビュー】ショートアニメ「野良スコ」「紙兎ロペ」でおなじみの内山勇士監督に下町の魅力を伺いました!

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TVや劇場でおなじみのショートアニメ「紙兎ロペ」を手がけた内山勇士監督。最新作は、「紙兎ロペ」と同じく監督の出身地・葛飾区を舞台に、スコティッシュフォールドの野良ネコ・コタローと住民たちが織り成すコメディ「野良スコ」です。

第9回目の「したまちコメディ映画祭 in 台東」(略称・したコメ)では、「野良スコ」の新作上映が決定! さらに映画祭のメインビジュアルも手がけられている内山監督に、制作秘話やファン必読のエピソードなどを「ウルトラJ」ライターのウインダム山田が伺ってきました!


■内山監督は怪獣好き!?

――内山監督は「ウルトラマン」ですとどの世代になるのでしょうか?

内山:僕は「ウルトラセブン」シリーズのソフビを持ってました。でもどちらかというと、怪獣のほうをけっこう応援していたんですけどね(笑)

――怪獣を愛する僕としてもとても嬉しいです(笑) 「ウルトラセブン」ですと、エレキングとかキングジョーとか?

内山:めちゃめちゃ強い怪獣じゃないですか! 当時はTVゲームでも「ウルトラマン」のゲームが出ていまして、そこで強い怪獣ばっかり仲間にしたりしていました。

――怪獣がお好きなのは何か理由があるのですか?

内山:そうですね。ディティールとか、けっこう絵を描いたりして真似していた部分があるので、もしかしたら「紙兎ロペ」や「野良スコ」へのつながりもあるかもしれないですね。

――いちばんよく描いていた怪獣は?

内山:僕はゼットンがめちゃめちゃ好きで。

――ウルトラマンを倒した怪獣!

内山:そうそうそう(笑) ベタですけど、ゼットンとかバルタン星人とか、ウルトラマンたちが苦戦した怪獣たちはわりと好きですね。

■下町・葛飾区が舞台の「紙兎ロペ」&「野良スコ」は、こうして生まれた!

――内山監督は東京の下町・葛飾区ご出身ということですが、「紙兎ロペ」や「野良スコ」を作るにあたって、きっかけになった下町でのエピソードがあればお聞かせください。

内山:もともと作品としては、「笑い」を映像でどうやって作っていくかってことを、昔から統一して考えてきたんです。最初は大学生のときに、実写で友達に出てもらって笑いをどうやって作るかというショートコントみたいなものを撮っていたんですけど、学校の課題でどうしても何かを出さなきゃいけないってときに、しぶしぶ締め切りに追われてアニメを作ったら、おもしろいって反応がけっこうあって。そこから次は、舞台はどういうところでどこに住んでるキャラクターにしようかなって思ったときに、自分が昔から慣れ親しんだ東京の下町を舞台にしたら面白いんじゃないかと考えて。自然とここにしようと勝手にポーンと出てきたので、あんまりどうしようどうしようと悩んではいないですね。

――「紙兎ロペ」も「野良スコ」も、下町を舞台にして、そこに面白いウサギや猫などが出てくるのは、「笑いを映像で」というところから生まれたアイデアですか?

内山:そうですね。パッと見ると、リスもウサギも下町にあんまり近い生き物じゃないですよね。別に下町を歩いていたらそこにいるわけでもない(笑)

――しかもただの猫じゃなくて、コタローはスコットランド出身ですからね。

内山:そうなんですよ(笑) コタローもスコティッシュフォールドっていう、ペットとしては意外と値段が高い猫なんですよ。野良猫がいるのは下町では自然かもしれないんですけど、ちゃんとしたペットの猫が野良猫として下町に歩いているっていうのは、違和感がありますよね。下町に合わないキャラクター性をどんどんくっつけていって、そこで化学反応を起こせればと。

――ギャップがすごいですよね。

内山:そこはどんどん裏切っていきたいです(笑)

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▲こちらが「野良スコ」でおなじみのコタロー(のぬいぐるみ)

――「野良スコ」制作のきっかけは、映画にもお詳しいLiLiCoさんだったとお聞きしました。総合プロデューサーのいとうせいこうさんやスタッフの方に、LiLiCoさんが猛烈に内山監督のことをプッシュしたのだとか?

内山:そうです。LiLiCoさんも葛飾区ご出身で、その縁でいとうさんやスタッフの方と葛飾の飲み屋で飲む機会があって。

――LiLiCoさんも葛飾区出身なんですか? まさしく下町から生まれた作品なんですね。

内山:そうですね(笑)

――そんな「野良スコ」の制作方法に関してもお聞かせください。アニメーターさんが内山監督の指示に基づいて、コタローたちの動きをつけているのですか?

内山:基本的には僕が細かく絵コンテを描いて、こんな感じに作ってくださいって言って、アニメーターさんに作ってもらっています。

――ほかのアニメにはない動きはもちろん、独特のテンポの会話劇が作品の一番のポイントかと思っています。

内山:ネタから脚本、声も自分でキャラクターにあててというところまで僕がやっています。背景も前は自分で描いていたんですけど、写真は僕が撮ったり、背景の担当の方が撮ったりまちまちですが、それを描き起こしてもらっています。

――(先に台詞を収録して後から作画する)プレスコで作られているんですね。

内山:そうですね、プレスコの作業になります。なので、「間」はすべて決まっていて、そこに絵をはめ込んでいきます。

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