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【3分でわかるニッポンの伝統工芸】大阪府:堺 打刃物


出典:http://kougeihin.jp/item/0710/
大阪・堺といえば、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
封建社会の中、町人による自治を実現した「自由貿易都市」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
安土桃山時代、信長・秀吉によって自治を剥奪されるまでは、世界に開かれた港町として、海外の世界地図にも載る大都市であった堺。
商業にともなって工業も発達し、とりわけ金属加工を行う「堺鍛冶」の技術は国内トップレベルであったといわれています。
そもそも、泉州・堺に鍛鉄技術が伝わったのは5世紀の古墳時代。
そう、堺市はみなさんもご存知の日本最大の前方後円墳「大仙古墳」(伝「仁徳天皇陵」)がある地域です。
1500年前から、鉄器がつくられていたわけですね。
気が遠くなるほど永い時間の中で、鉄器加工の技術は連綿と続き、洗練を極めてゆきました。
武士の台頭が始まる平安時代後期には刀の鍛造技術と研ぎの技術が発達し、
室町時代には、南蛮貿易と呼ばれた外国との交易を通じて、広く世界に知られるようになりました。
「堺鍛冶」の技術力は高く、16世紀に鉄砲が伝来から数年で堺では大量生産体制が整い、鉄砲の一大産地になったほどだといいます。
江戸時代には、徳川幕府が堺の打刃物に「堺極」という極印を付して専売するようになり、堺打刃物の名は天下に轟きました。
現在でも、長い歴史が培った堺鍛冶による堺の打刃物の優れた「鍛冶」技術と、切れ味を生み出す「刃付け」技術によりプロの料理人に9割を越える高いシェアを誇っています。
堺では、柳刃包丁、出刃包丁、薄刃包丁といった地域によって形の違う包丁や、はも用、うなぎ用、寿司用、麺用、菓子用など、料理ごとの包丁など、さまざまな形状の包丁を作っている他、理髪用、華道や盆栽、園芸といった植物剪定用などのハサミの生産でも有名です。
いずれも、堺打刃物は、プロフェッショナルに愛用される、高品質の刃物として、他の追随を許さない高い評価を得ています。
歴史に裏打ちされた高い信頼と、プロが証明する高い品質の堺の刃物。
ワンランク上の道具を、みなさんもお試しになってみてはいかがでしょうか。
堺刃物商工業協同組合連合 http://www.sakaihamono.or.jp/
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