ウルトラJ

2016.10.28

特集
日本を含むアジア3国で作られたオムニバス映画 映し出された共通点とは?

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■日本、マレーシア、カンボジアで撮影された3作。監督自らが質問に回答。

アジアの3人の監督によって制作されたオムニバス映画「アジア三面鏡2016:リフレクションズ」。そのワールド・プレミア上映が現在開催中の「第29回東京国際映画祭」にて行われました。こちらの記事でお伝えした舞台挨拶の後、監督たちによるQ&Aが行われ、本作を鑑賞した観客たちからの質問に、フィリピン人のブリランテ・メンドーサ監督、行定勲監督、カンボジア出身のソト・クォーリーカー監督が回答されました。

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メンドーサ監督は、改めて大スクリーンで作品を鑑賞した感想を尋ねられ、小さいスクリーンでの試写をあえて観ずに今回の機会を待っていたと回答。3作をまとめて観ることで、自分が思っていた以上に共通点があり、表面上は違う言語をしゃべっているが、根底では同じアジア人なのだと感じた、と語りました。

また、日本に住んでいるフィリピン人に対して本作をどう受け取って欲しいかという質問に対し、自分が愛する家族や人々のことを思い出して欲しいと答えます。お金も家族のために稼ぐのであって、一番大事なのは愛ではないかと伝えていました。

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クォーリーカー監督は、去年3人が集まったときに何か1つ共通点を決めようとして、「鳩」を作中に取り入れることにしたと明かしました。メンドーサ監督の「SHINIUMA Dead Horse」には「鳩」が飛ぶシーンがあり、行定監督の作品は「鳩 Pigeon」のタイトルどおり「鳩」を調教する人が登場。自らの監督作「Beyond The Bridge」には、茶碗のようなボールに「鳩」の彫刻がされていたと解説します。カンボジアの食器には、鳥や花などが彫刻され浮き彫りになっていることが多いと観客へ説明していました。

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行定監督はほかの2作の感想を求められ、メンドーサ監督の映画はいつも痛みを伴い悲哀がこもっていると語り、馬をムチで叩くシーンの演出と音の使い方を絶賛。クォーリーカー監督の作品には、戦争の中で引き裂かれていく男女の愛の永遠性を感じたと回答しました。

クォーリーカー監督は、3作の主人公のキャラクターについて言及。「Beyond The Bridge」で加藤雅也さん演じる主人公・福田は、孤独な老人となってカンボジアに戻り、過去の傷を受け入れることで孤独感へ対応した。「鳩 Pigeon」の津川雅彦さん演じる孤独な老人は、息子に捨てられたことからカンボジアで鳩を調教し、そこで出会った女性を自分の娘のように愛していた。「SHINIUMA Dead Horse」は日本の北海道からフィリピンへ帰った男性が心の中の葛藤に対応する。アジアの各国で描かれる3人のキャラクターは、いずれも孤独を感じており、愛を欲している共通点があったと語りました。

アジアの国で撮影するということ以外の制約がなかった本作。まったく違う文化や言語の中でも、自然とそこに生きる人々の共通点が浮き彫りに。映画を通じて、違う文化を知り受け入れることで、改めて日本の文化や自分たちのことを理解するきっかけになるのではないかと思います。2020年には東京オリンピック&パラリンピックも開催され、さまざまな国の人々がやってくる機会が増えています。映画を通じて、海外の文化はもちろん、日本の魅力にぜひ触れてみてはいかがでしょうか?

公式サイトはこちら

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第29回東京国際映画祭公式サイトはこちら
開催期間:2016年10月25日(火)~ 11月3日(木・祝)
開催会場:六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区) ほか 都内の各劇場および施設・ホールを使用

映画祭の魅力や楽しみ方はこちらの記事をご参考ください。