ウルトラJ

2016.10.31

特集
公開から10年の細田守監督版「時をかける少女」 監督が思い入れる夏に旬をむかえる果物とは?

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■10年の月日を経て語り継がれているアニメ映画。今明かされる制作秘話も!

「第29回東京国際映画祭」にて行われているアニメーション特集「映画監督 細田守の世界」。細田守監督の名を一躍世に広めた2006年公開のアニメ映画「時をかける少女」の上映が10月29日(土)に行われ、上映後には監督とアニメ特撮研究家の氷川竜介さんによるトークショーが実施されました。

10周年を迎えた本作に関して、「10年後このように観て貰えるとは思っていなかったので光栄です」と話す細田監督。公開時のフィルム上映から、技術の進歩によってデジタル上映用にリマスターされ、色あせるどころかむしろ綺麗になっていると解説されました。会場をしめる若い観客に触れ、公開当時は大人の男性がほとんどで、口コミから徐々に若い人に観て貰えるようになっていったと感慨深く話されました。

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細田監督のトークは続き、筒井康隆さんの原作小説との違いに関して、本作では自分で選択肢を決めることができるところがあると言及。10年前の監督自らが人生の選択肢の中で、何を選ぶべきか考えていたと語ります。本作の前に制作されて途中で頓挫してしまった細田守版の「ハウルの動く城」に関して、あのときこうしていれば続けられていたかもしれないと後悔の念があり、その想いがストレートに映画に出ていると話されました。

失敗したからといって、その後の人生が価値がないわけではなく、それでも前を見つめることが大事なのではないかと、実感をともなって表現していたと振り返りました。海外の映画祭で本作が上映された際、「これは人生における後悔についての映画である」と解釈されたエピソードを明かし、、自分自身でも分からなかった核心を理解することが出来たといいます。

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作品の同窓会のような雰囲気で、Q&Aが行われ観客からの質問に答える細田監督。映画をどう作り上げていくのかという問いに対し、主人公が出来事を通じて変化していくところを自分は観たいと思っていると答えます。人はなかなか変わりたくても変われないが、だったら何があったら変われるのか。それは人との関係の中で変わっていくのではないかとし、映画の中で変化していくダイナミズムやバイタリティを表したいと語られました。

細田監督のほかの作品にも登場する「桃」についての質問が及ぶと、特別な存在感があり、若い主人公の中にある不思議な力を感じることができると回答。神話や「西遊記」にも描かれる生命力もあるが、映画が公開される7月末ごろに旬を迎えることが大きく、東映アニメーション出身の監督としては強く意識していると明かしました。

最後に細田作品で描かれることが多い高校生に関して、実際に取材をしているのかと尋ねられ、さまざまなタイプの高校に取材に行ったと回答されました。そこですれ違った1人の女子高生がポロシャツを着ていたことから、「時をかける少女」の主人公・真琴の衣装に取り入れたというエピソードが語られました。

夏の青がイメージカラーとなっている細田作品。これからも日本の夏を彩る、さまざまなアニメ映画を作っていってほしいですね。

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第29回東京国際映画祭公式サイトはこちら
開催期間:2016年10月25日(火)~ 11月3日(木・祝)
開催会場:六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区) ほか 都内の各劇場および施設・ホールを使用

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