昭和20年の広島を描いた映画「この世界の片隅に」片渕須直監督インタビュー この世界に生きる、人の心の力とは?

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大ヒット上映中のアニメーション映画「この世界の片隅に」。絵を描くことが好きな主人公・すず(声を演じるのは、のんさん)が、戦時中の広島県・呉市へとお嫁にやって来て日々の暮らしを営む様を丁寧に描く本作。「アリーテ姫」「マイマイ新子と千年の魔法」などを手がけた片渕須直監督が、当時の広島の街並みを考証を重ねて再現し、アニメーションという表現でタイトル通り、世界を作り上げています。ウルトラJでは、いま国内外から注目される、広島県を舞台にした作品の魅力を伝えるべく、ライターのウインダム山田が伺った監督のインタビュー記事をお届けします!


■アニメ史・特撮史とともに育った監督の思い出の作品とは?

――本日片渕監督にお会いするうえで、お見せしたいものがありまして……。こちらなんですが、ウイスキーボンボンの包み紙です。

片渕:ああー! ひょっとしてラピュタですか?

――ラピュタ阿佐ヶ谷で「マイマイ新子と千年の魔法」が2009年のクリスマスに上映されたときに、クリスマスプレゼントということで、ふるまって頂いたものです。

片渕:あのときにいらしゃったんですね。しかも大事にとっておいて頂いて……。

――いつか監督とお会い出来るときのためにとっておきまして、7年越しに念願が叶いました! 改めて、お話を伺えればと思っております。

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▲こちらが監督にお見せしたウイスキーボンボンの包み紙。ウインダム山田にとっての「宝石」の1つ。

――まず、ウルトラJのインタビュー定番の質問がございまして、監督はアニメはずっと観てこられたと思うのですが、「ウルトラマン」などの特撮作品の思い出を伺えればと。

片渕:僕の父親が岸田森(※1)さんと友だちだったんです。というよりは、岸田家に下宿していたんです。なので、岸田森さんのことを「森ちゃん」って呼んで弟分扱いだったんですよ。僕が映画の大学に入るって言ったら、岸田さんがすごい喜んで下さったらしいんですけど、お目にかかれないうちに亡くなってしまって。僕自身は、幼稚園のころから「ウルトラマン」は観てましたね。

――「ウルトラマン」は50年前の1966年に始まってますから、ちょうど世代なんですね。

片渕:僕とかの世代は、庵野君(※2)とかもそうなんですけど、物心ついたときに3歳くらいで「鉄腕アトム」が始まって、6歳くらいで「ウルトラマン」で、庵野君は違うかもしれないけど、そのあと「巨人の星」とかが出てくるんですよ。日本の子供向けエンターテイメントの中心が「宇宙戦艦ヤマト」になったりとか、どんどん対象年齢を上げていくときに、上げた先に居るのが常に僕らだったんですよ。

――ずばりアニメ史・特撮史の歴史とともに!

片渕:そうなんですよね。

――監督は1960年生まれですよね。「ウルトラマン」のあとの「ウルトラセブン」なども?

片渕:だから逆に言うと、「帰ってきたウルトラマン」くらいになると、もう小学校5年生くらいなんですよ。そろそろ偉そうなことを言って、あんまり子ども向けのものは……とか言うと、ウチの場合は父が、「森ちゃんが出てるから」って言って(笑)

――そういったところで身近さがあったんですね(笑)

片渕:そうなんです。

――ちなみに、ご実家が映画館であったと伺ったのですが、そこで円谷英二監督が手がけた特撮作品などご覧には?

片渕:あのね、そこが難しいんですけど、五社協定(※3)があって。

――ああー。

片渕:新東宝は僕らのころはあんまりなかったんですけど、ウチは東宝だけ入らなかったんです。それで、「ゴジラ」はそういう意味で言うと、自分たちが手近で観れないから、すごい高級品に見えるんですよ。

――憧れみたいなものが。

片渕:そうそう。時々、大阪の街まで出て何か映画を観ようかと思ったら、「ゴジラ」とか「キングコングの逆襲」で、併映が「ウルトラマン」とか。そういうのを観て、「ああ、やっぱりこういう世界があるんだなぁ」と思ってたんですね。

――そういう意味では、特撮作品にはTVや映画含めて馴染みがあったんですね。

片渕:「ガメラ」や「大魔神」はお手の物だったんですよね。

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