夜天に舞い上がる紅蓮の炎! 30本もの松明と仕掛け松明、そして現地の人たちも熱い――松明あかしレポート【後編】

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皆さんごきげんよう、キングジョー永田です。前回の記事では、松明あかしの前哨戦とでも言うべき大松明・姫松明の行列風景と、大松明が大地に立てられるまでをお伝えしました。今回はいよいよ最大の見せ場、五老山に集結した30本もの巨大松明が点されていく模様をお届けします。

ところで件の松明には、地元中学校や高校の名前が書かれたものもあるのですが、その根元に貼られた生徒たちの寄せ書きの、なんと眩しいことか! 曰く、「ガンバ」「絶対勝つ!」「だいすき」「みんなありがとう」……。嗚呼、私もこんなキラキラした青春を送りたかった……!

それはさておき、お祭り本番! 日本三大火祭りに数えられる松明あかしの実態とはいかなるものか? ウルトラJ2016年度松明あかしレポート【後編】、始まります!

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定刻18時30分。大松明行列では上に乗って若衆を先導し、松明を立てる際にもリーダーを務められた男性が、大松明をよじ登って行きます。意図が分からないまま、私は展開を見守りました。

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てっぺんに上がった男性に向けて、ロープ経由で火が渡されていきます。――まさか!?

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そのまさかでした。男性は火の点いた竹をぐるりと回してアピールをすると、大松明に火をくべたのです! もちろんすぐに、するすると大松明を降りてこられたわけですが、危険と隣り合わせのパフォーマンスに驚きを禁じえませんでした。恐るべし、松明あかし!

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さて、大松明の先端は、たちまち轟々たる炎に包まれました。その巨大さゆえ、松明という名称との間にギャップめいたものを感じていたのですが、こうして見ると「なるほど間違いない」と納得させられます。

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ただメラメラと燃えているのではありません。「パンパン」という音とともに幾度となく爆ぜ、無数の火の粉を絶えず夜空へと散らしています。

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下に目を転ずれば、御幣の立てられた地面に、炎の塊がぼとぼとと落ちてきます。すぐ傍で見学させていただいた私ですが、たちまち臆病風に吹かれて帽子を被りましたね。

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続いて姫松明にも火が灯されます。こちらにはちゃんと梯子がかけられ、登って点火し降りるまでが安全に行われるようになっていました。

点火後の松明から垂直に降りてくるアクションは、大松明でのみ行われるようです。全長10メートル、重さ3トンの大松明。大物を相手にするのだから、こちらも命がけで挑もうじゃないか。これまで点火の役目を担ってきた人たちは皆、そんな勇猛心にあふれていたのかもしれません。

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次々と松明に火が点じられていきます。こちらは、地元・西袋中学校の代表生徒が、自校の松明に火入れをしたところ。

もうこの頃には、私ははっきり熱いと感じていました。関係者のみ立ち入りが許されるエリアに居たとはいえ、燃える松明から距離を保っていたのにです。つまり熱波だけでも凄まじく強烈だということ。複数の巨大松明が燃えるとはこういうことなのかと、肌感覚で分かりましたね。

しかし、物理的な熱さとは別の熱量もまた、私は背後に感じていました。

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その正体がこちら、西袋中学校の生徒たちです。揃いの法被に身を包み、声を限りに自分たちの学校を讃え、校歌を歌っています。

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見ればほかにも、地元の中高生たちが学校ごとに固まり、応援合戦を繰り広げていました。

熱いです。燃え盛る松明にだって、負けていない。未来を担う子供たちがこれだけ活力にあふれているのですから、須賀川の未来は安泰でしょう!

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炎の勢いは増し、その照り返しを受けた見物客の人たちも興奮気味の様子でした。

さて、ここで一度場所を変えます。実は松明は松明でも、別の趣向を凝らしたものが用意されているのです。それをお見せしましょう。

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武者仕掛け松明と城仕掛け松明です。写真で見ると純粋に綺麗なのですが、実物を目にした時の私は松明と同等か、それ以上の熱風を感じておりました。

そのせいでしょうか。炎に彩られた城と武者のオブジェを通して、思いは遥か戦国時代に飛びます。この地が伊達政宗に攻め込まれた時、町は火の海になり、須賀川城も多くの家臣とともに炎に包まれたそうです。松明あかしは火祭りであると同時に、戦場で散った武者たちを弔う鎮魂の儀でもあります。真摯な気持ちで彼らの冥福を祈ることもまた、大切なことでは無いでしょうか。

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巨大松明のところに戻ります。

祭りもそろそろフィナーレ。広場にはもうもうと煙が立ち込め、無数の火花が夜空へと舞い上がっていきます。ほとんどすべての松明で、炎が上から下まで行き渡り、中にはぽきりと折れてしまうものもありました。折れれば火の粉が舞い散り、地面に飛び火することも。

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そういう場合は、待機していた消防士さんがすかず放水。消火するのは、地面に燃え移った火のみ。時折松明に水をかけて火の勢いを弱めたりもしますが、あくまで自然燃焼に任せます。大火を起こすだけに、失敗すれば大参事になりかねません。こうした安全対策を徹底してこそ、毎年無事に開催できるのですね。

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以上、松明あかし本番の様子をダイジェストでお送りしました。荘厳にして苛烈な炎の祭典にして、かつてこの地で義に殉じた人々を弔う儀式。松明あかしは毎年11月の第二土曜日に開催されます。

ぜひ一度足を運んで、松明の炎はもちろん、現地の人たちの「熱さ」を体感してください!

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プロフィールPROFILE

キングジョー永田

年齢不詳の怪獣ライターで、アニメ・マンガ・ゲームなどのオタク文化全般をこよなく愛する。やたらと解説をしたがる悪癖を持つが、本人に自覚は無い。

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