ウルトラJ

2016.11.30

特集
約13万人で賑わった第20回「大洗あんこう祭」 名物・あんこうの吊るし切りの模様をお届け!

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あんこうという魚がいます。アンコウ目アンコウ科アンコウ属の海水魚で、大きく平べったい頭が特徴。茨城県を代表する冬の味覚で、あん肝やあんこう鍋などが有名ですね。

では、あんこうをさばくのに独自の技術が用いられていることはご存知でしょうか? あんこうの身体は80%が水分で表面がぬるぬるしているため、まな板の上で切るのは容易ではありません。そこで、口をかぎ針に引っかけて吊るした状態で切っていく「吊し切り」というさばき方をするのです。

その吊し切りの模様が、茨城県大洗町で11月13日(日)に開催された第20回「大洗あんこう祭」のステージイベントで一般公開! ということで不肖・キングジョー永田が、現場で取材してまいりました。イベント全体の様子は別記事にてレポートしていきますので、今回は解体ショーをメインにお伝えしましょう!

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こちらが今回捌かれるあんこうです。重さはなんと26キロ! 例年用意されるあんこうは13キロくらいという話ですので、2倍の重量ということになります。鍋にすると16鍋は作れるとのこと。そんな大魚をどうやって捌いていくのか、期待が高まります!

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吊し切りを披露してくれるのは、割烹旅館「さかなや隠居」の板前・大里幸三さん。料理人になられて15年のベテランです。あんこうの食べられる箇所は「ひれ(とも)」「皮」「えら」「きも」「胃袋(水袋)」「ぬの(卵巣)」「だい身(柳肉)」の7つがあり、「あんこうの七つ道具」と呼ばれるそうです。それぞれの部位に沿って切っていくわけですね。

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大里さんは、まず七つ道具の1つである「ひれ」に、包丁を入れました。次は皮を剥がしにかかります。魚の見た目が変わって「『進撃の巨人』みたいになりますよ」と大里さんは笑いますが、作業はなかなかに大変な様子。切り込みを入れてからタオルを使い、力を込めて引き裂きました!

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観客席からもどよめきが起こります。確かに生々しい様相にはなりましたが、それよりも難しそうな工程を、もたつくことなく一気にやり遂げてしまったことの方が凄い。さすがです!

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続いて頬肉です。七つ道具としては「だい身」として一括りにされているそうですが、貴重部位で唐揚げにすると最高に美味しいのだとか。頬肉なのに手のひら並の大きさ! 26キロはダテじゃない!

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七つ道具の1つ「えら」が切り取られました。希少部位で六本しか無いのだとか。ヒラヒラした形状をしているものの、食感はコリコリしているそうです。

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そして来ました! あん肝で名高い大切な部位「きも」です。取り出されたものは、一升瓶くらいのビッグサイズ! 大里さんも「これは大きいです」と、驚きを隠せない様子。あん肝はお鍋にするも良し、蒸すのも良し、意外なところではソテーにしても美味しいそうです。

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食べられない部位である腸を切り落とした後、「卵巣」に移りました。七つ道具としての名称は「ぬの」です。蝶々のように広がっており、やはり大きい! と同時に、このあんこうはメスであることが判明しました。あんこうのオスは大きくても50センチくらいにしかならず、メスだけが1メートルから2メートルくらいの大きさになるのだとか。10キロ超えのオスは、まず見かけないそうです。

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続いて、七つ道具の1つ「胃袋」。別名「水袋」とも呼ばれるそうです。解体の間、あんこうからは水分が滴り落ちています。あんこうのほとんどが水分であるという事実を、視覚的に確認できますね。

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七つ道具ではありませんが、そでと呼ばれる2対の部分がこちら。名前の由来は振袖に似ていることで、ちゃんと食べられます。あんこうで食せない部分は骨と腸のみ。本当に無駄のない魚なのです。

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最後は白身、すなわち「だい身」です。これまた大きいですね。あんこうが苦手という人でも、この部分ならくせもなく食べやすいとのこと。ここから徐々にほかの部位に慣れていくというのも、アリかもしれませんね。

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解体後のスリムになったあんこうの後ろで、丁寧なお辞儀をする大里さん。解体したあんこうの部位はさっそくあんこう汁にされ、1杯100円(限定2000食)で来場者に振る舞われました。

それとは別に、屋台の出店ではあんこう汁が売られていましたので、賞味させていただきました。それがこちら。

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小腹を満たす少なめタイプと、うどんを入れてがっつり頂くタイプの2種類から選べるようになっていました。小食の私は少なめな方に。

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あんこうの切り身はほどよい歯ごたえで食べやすく、温かい汁は身体をじんわりと温めてくれます。美味!

あんこうの肝は1月~2月頃に大きく育ちます。つまり、寒さ厳しくなっていくこれからの季節が旬! あんこう祭は終わってしまいましたが、あんこうを食べるためだけでも大洗町に赴く価値があります。そしてぜひ来年は、あんこう祭に参加してみてくださいね!

「大洗あんこう祭」の公式サイトはこちら