【ウルトラJ文楽入門特集・その2】吉田清五郎さんに訊く! 文楽の「三人遣い」の演技を実演!

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ウルトラJでは、「ウルトラマン」と同じく今年50周年を迎えた国立劇場とのコラボレーション企画として、特撮作品にも影響を与えた「文楽」の魅力に迫るべく、全4回の入門特集をお届け中です!

前回に続いて、ウルトラJの文楽入門第2弾では、人形や首(かしら)について教えていただいた「主遣い」の吉田清五郎さんに引き続き「三人遣い」の役割分担についてさらに詳しくお伺いしていきたいと思います!


▲写真左から、「主遣い」吉田清五郎さん、「足遣い」吉田簑之さん、「左遣い」吉田勘市さん。

――「三人遣い」の役割について、具体的に教えていただけますか?

吉田清五郎さん(以下清五郎):中心となって人形を動かす役割を「主遣い」といって、衣裳の背中の切れ目に左手を差し入れ、「胴串」を持って人形の体を支えながらかしらを操り、右手の動きも担当します。

「左遣い」は、自身の右手で人形の左手の動きを担当し、自身の左手では物語の展開に応じて、かんざしなどの小道具を出し入れして人形に持たせることもあります。

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▲三人遣いの中で唯一人形を操っていない「左遣い」の左手。まるで手品のように小道具を取り出したりしまったりします!

「足遣い」が担当するのは、その名のとおり人形の足の動きです。立役の足についている「足金」を持って、立ったり座ったり、見得を切ったりと忙しく、自身の足を踏み鳴らして効果音も担当します。

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▲こちらが立役の足。

――「主遣い」の方は黒紋付に袴で顔を見せていらっしゃいますが、「左遣い」と「足遣い」の方は基本的に黒い衣裳で頭から頭巾をすっぽりかぶっていますよね。頭巾越しでどれくらい前が見えているのか気になります。

吉田勘市さん:ライトが当たって完全に逆光にならない限りは、意外とよく見えています。黒衣(くろご)と言われるこの衣裳は、人形を引きたたせる役割を果たしているんです。

――「主遣い」の方は、高い下駄のようなものを履かれていますね。

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▲こちらが下駄を実際に履いているところと、わらじ部分を見せて頂いているところ。人形遣いの方の身長に合わせて特注で作られています。

清五郎:これは「舞台下駄」といって、二枚の下駄の歯の部分にわらじを取り付けて、音が出ないようにしてあります。高さは遣う人形の種類によって変わるんですが、人形の足元の高さを調整するために履くんです。

――女方の人形には足がないので、「足遣い」の方のこぶしで立てひざを表現することもあると前回伺いましたが、「主遣い」の方とどうやって息を合わせているんでしょうか。

清五郎:「足遣い」は「主遣い」の腰に体をピッタリ付けて、「主遣い」の次の動きを感じ取ります。「左遣い」はかしらの動きに注目しながら、人形の左手を操ります。文楽の世界では、「足遣い」で15年、「左遣い」で15年、「主遣い」としてかしらと人形の右手を遣えるようになるまでには、30年近くもの修行が必要とされています。人形を遣ううえで何より大切なのは、「しっかりと腰を入れる」ということ。実際に舞台を見ていただければ、「腰を入れる」というのがどういうことなのか、きっと理解してもらえるのではないかと思います。

――実際に舞台を観るときに、気をつけてみます! ありがとうございました!

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そして実際に三人遣いによる実演をして頂きました! 立役の迫力と、女性らしさが生き生きと表現されている女方。動画でまず立役の一連の動きからご覧ください。

想像以上にダイナミックな動きに圧倒されますね! 続いては女方の動きです。

いかがでしたでしょうか! 文楽の人形の特徴と、三人遣いという世界でも珍しい独自のスタイルについて紹介してきましたが、次回からは「太夫(たゆう)」と「三味線」の魅力をお届けしていきますので、お楽しみに!

→第3回はこちら

■「文楽」を実際に国立劇場で観てみよう!

2016年に開場50周年を迎えたニッポンの伝統芸能の一大拠点「国立劇場」。2017年2月4日(土)から2017年2月20日(月)の期間にて、2月文楽公演「近松名作集」が50周年記念公演の1つとして上演されます。ウルトラJでも公演情報など取り上げていく予定なので、文楽入門特集と合わせてぜひ実際の舞台をご覧になってみてくださいね! チケットは2017年1月7日(土)より、電話・インターネットで予約開始です。詳細は下記記念サイトをご確認ください。

国立劇場開場50周年記念サイトはこちら

プロフィールPROFILE

ピグモン風子

日本古来の伝統文化から最先端のアート・カルチャーまで、ウルトラな人たちを追いかけまわす好奇心旺盛なライター。

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