【ウルトラJ文楽入門特集・その1】人形遣い・吉田清五郎さんに訊く! 驚きのしかけが満載な人形のからくりとは?

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■「人形」に施された複雑なからくりとは?

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――「文楽」で遣う人形には、どんな特徴がありますか?

清五郎:文楽の場合、男役の人形を「立役(たちやく)」女役を「女方(おんながた)」と呼んでいて、150cm程度ある立役とくらべると、女方は130cm程度と若干小ぶりになっています。人形のあたまの部分は「かしら」と言って、取り外しができるようになっているんです。


▲こちらが取り外された立役のかしら・「源太」

――近くで見ると、かなり大きくて迫力がありますね。よく見ると顔もそれぞれ違うんですね。

清五郎:かしらは性別や性格、年齢、身分などによって分類され、全部で50種類くらいあります。これは10代後半から20代の役柄の「源太」という二枚目で、目が開閉する「ねむり目」というしかけがあります。こちらは「口あき文七」といって、主に敵役に使われるかしらです。文楽の立役のかしらのなかでもっとも代表的な「文七」より目が鋭く、口が大きく開きます。かしらは数十種類ありますが、なかには「孫悟空」や「ハムレット」のかしらもあるんです。


▲「口あき文七」のかしら

――なるほど。かしらを動かす持ち手の部分は、なんと呼ぶんですか?

清五郎:ここは「胴串(どぐし)」と言って、人形のなかで一番大事な働きをしています。前の部分には「チョイ」と呼ばれる仕掛けがあり、これはかしらを動かすためのもの。後ろの部分には「小ザル」と呼ばれる仕掛けがあり、目や眉、口など、豊かな表情を生み出すための仕掛けが複雑に張り巡らされています。立役は胴串を掌でしっかり握って動かします。「口あき文七」のように仕掛けが施されていれば、寄り目をしたり、眉を上げたり、口を開けたりできるんですね。こちらにある女方のかしらが、特殊な仕掛けが施された「ガブ」と呼ばれるものです。女方は指先で軽く持って、こんな感じで。

――うわぁ! 口が裂けて角が飛び出すとは!! なんともダイナミックな動きですね。中はどんなしかけになっているんですか?

清五郎:かしらはヒノキの木を彫りあげたものを前後に割って中をくりぬき、セミクジラの髭でできたバネと三味線の糸で、目や眉、口を動かすしかけを作っています。和紙のうえに、ハマグリなどの貝殻を砕いて作られる顔料の胡粉(ごふん)と、牛の皮などから作られる天然接着剤の「にかわ」を合わせて塗り、役柄によって白や赤茶色に塗りわけます。かしらは大阪の国立文楽劇場が所蔵していて、かしら係が公演ごとに塗り直して大切に遣い続けているんです。

かしらを動かしているところを動画にまとめました! 実際の動きをごらんください。

次ページ:■熟練の技が集結! 女方の人形の足の秘密とは?

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