ウルトラJ

2017.02.10

グルメ
「出たな!パンヂュウ!これでも食らえッ!」 ウルトラ【まる怪】グルメ 第20回〜栃木編〜

ニッポンのウルトラなものを日々調査している「ウルトラJ」編集部より、ご当地グルメ担当のメロス山本隊員が見つけた「まるで怪獣のように魅力的な名前を持つグルメ」略して《まる怪グルメ》3選をお届けします!


こんにちは! 山本メロス、またの名を山ロスです!

これまでに日本各地の「まる怪グルメ」を探訪してきましたが、いやあ、この広い日本には、まだまだあるもんですねえ。

「まるで怪獣のように、魅惑的で強烈な響きを持つ名前の食べ物」が。

というわけで…今回は、栃木県! 栃木といえば、往古、朝廷ににらみをきかせていた古代王国・毛野国あったという由緒正しいお土地柄!!

雄大な自然に抱かれた栃木県には日光国立公園などの自然公園のほか、鬼怒川温泉那須温泉郷などの温泉地、世界最古の大学「足利学校」跡や、「日光を見ずして結構というなかれ!」でお馴染み、東照大権現・徳川家康公を祀る日光東照宮など歴史的にも重要な観光地をたくさん擁する観光県でもあります! 「宇都宮餃子」「佐野ラーメン」のようなご当地グルメや、全国シェア99%を誇る「かんぴょう」、イチゴの女王「とちおとめ」など、グルメにも事欠きません!

そんなグルメの国・栃木県なら、きっとまるで怪獣の名前のような「まる怪グルメ」もいっぱい見つかるでしょう!

たとえば、この「パンヂュウ」のように!

1.「パンヂュウ」登場

私がウルトラマンタロウなら、思わず、

「パンヂュウ…これでもくらえ…」 

と、リライブ光線を発射してしまいそうな快獣ネームですが、じつはこれ、別に子どもを人間に殺されて凶暴化した子連れ怪獣の名前などではありません。

このパンヂュウはそんな物悲しい怪獣の名前ではなく、栃木県が誇るご当地グルメの名前なのです。

それではパンヂュウさん! どうぞ!!

oba7さん(@bass_master_oba7)が投稿した写真

まる怪グルメその78

「ぱんぢゅう」(足利市)

これが……パンヂュウ!?

うーん、その語感から、三色すみれのように可憐でカラフルな姿や、どことなく、可愛らしい声で「パンジュウ!」と鳴くような、子パンダのような小さなモンスターを思い浮かべましたが、ナンダこれは!?

まるでナメゴンの卵か、ウルトラマン80を母親と思い込んだ渡り鳥怪獣バルの卵のようにも見えますが…

この「パンヂュウ」とは、一体、どういう意味なのでしょうか!?

はいッ!

「パンヂュウ」とは、栃木県足利市、「足利学校」の近くにある小児玉神社の境内で、昔から屋台を出して売っている素朴なお菓子。

小さな屋台ですが、戦前から長い歴史を持つおやつで、一説には「パン」のような「まんじゅう」のような食べ物だから「パンヂュウ」なのだとか。

たい焼きや今川焼き(大判焼き)のように、小麦粉を溶いたタネをたこ焼き器のような鉄板(たこ焼きより一回り大きい)に流し込み、こしあんを入れて、球形ではなく、半球状に焼き上げたもの。

半球状の部分はふんわりとやわらかく、カリッと香ばしい、二つの食感を楽しめる、足利のソウルフード。お値段も子どものお小遣いでも買えるくらい、とってもリーズナブルです!

この足利のものは「パンヂュウ」ですが、北海道や三重県の伊勢には「パンジュウ」と呼ばれるお菓子を売るお店があるそうで、もともとは戦前に東京の会社が全国展開していた食べ物が、各地に残ったものだといわれます。

いつ行っても行列の絶えない人気店ですが、栃木県足利市に足を運ばれた際には、アツアツのパンヂュウを頬張ってみてはいかがでしょうか。

岡田パンヂュウ(Facebookファンページ):https://www.facebook.com/pages/岡田パンヂュウ/162483997171610

2.「サガンボ&モロ」登場

サガンボ…そして…モロ…!

これは…一体何なんでしょう?

そして、なぜペア……合わせ技なんでしょうか!?

なんとなく70年代のフォークデュオっぽいですが

あるいは、何となくSFの悪役っぽい感じもありますね。

サガンボは…どことなくムエタイ系の格闘家っぽい名前ですし、

モロは神経質そうなボスキャラのマッドサイエンティストっぽい。きっとすぐ「黙れ!小僧!」とか言いそうです。

そんなサガンボ&モロ

一体どんなものなんでしょうか!?

サガンボ
出典:http://www.100sama.tochigi.jp/100sama/page.php?id=66

こ、これがサガンボ! そして、次がモロ!

モロ
出典:http://www.100sama.tochigi.jp/100sama/page.php?id=66

まる怪グルメその79

「サガンボ」&「モロ」

どちらもうまそうなお魚の煮つけですが…でも、「海なし県」の栃木で獲れる魚だとしたら、川魚なんでしょうか!?

……じつは!

「サガンボ」「モロ」は、栃木県で食べられている魚の切り身名前で、「サガンボ」がアブラツノザメ、「モロ」がネズミザメという種類のサメ。栃木で獲れる川魚ではありません。

では、なぜ内陸の栃木でサメが食べられているのでしょうか。

実は、サメの肉というのは、時間が経つと体内の尿素がアンモニアに変化するため腐りにくいという性質があります。そのため、海沿いの地域では独特の匂いが敬遠されていたのですが、保存性が高いので冷蔵技術のない時代には、内陸の栃木では貴重な海の魚として珍重され、親しまれていたのです。

ネズミザメは、ヒレは高級食材であるフカヒレに、肝は肝油などに加工され、切り身がモロとして栃木県向けに出荷されています。かつては茨城県から行商人によって運ばれていたようですが、現在では宮城県気仙沼周辺から運ばれ、煮つけフライなどに調理されます。

サガンボはモロよりも高価でお正月などに食されるそうです。

栃木県内では、切り身の状態で売られているため、それがサメであることを知らない人もいるそうです。

海のない栃木だからこそ発達したサガンボ・モロを、栃木に行かれた際には、ぜひにご賞味してみてはいかがでしょうか!

とちぎの100様:http://www.100sama.tochigi.jp/100sama/page.php?id=66

3.「ハットジル」登場

「ハットジル」……!

これはなんとなく、帽子を被ったダンディーなダークヒーローのような響きがありますね。

もしくは、ハッと驚かされて、思わず扉を閉じてしまうようなニュアンスもあります。

あるいは、どことなく有名な忍者の名前を連想させて、なんだか「忍者怪獣」っぽい語感ですね。ちなみに、忍者の名を持つウルトラ怪獣としては、宇宙忍者バルタン星人や、忍者怪獣サータン、忍者怪獣ガマスなどがありますが、モチーフが蝉だったり、象だったり、鳥だったりして、たいてい忍者っぽくないような気がします。忍者怪獣なら忍者怪獣として、忍者的なモチーフを期待したいものです!

さて、そんな正体不明のハットジル、いったいどんなハットジルなんでしょうか!

どうぞ! ニン!

法度汁
出典:http://kyoudo-ryouri.com/food/1312.html
まる怪グルメその80

「法度汁」(はっとじる)(栃木県)

ハッ! これがハットジル!?

いったい、これは…!?

…!?

はいっ!

「法度汁」(はっとじる)とは、栃木県の郷土料理。

味噌汁の中に野菜や山菜、きのこ、肉類などとともに、小麦粉の団子が入っています。いわゆる「すいとん」ですが、栃木県、それに宮城県などでは「はっと汁」と呼びます。地域によっては「とっちゃなぎもち」とも呼ばれています。

この「法度汁」、もともとは米がなくなった時の代用食だったのですが、なぜこのような名前になったかというと、一説には財政改革のために質素倹約を命じた徳川光圀・水戸黄門様が、この地の野菜たっぷりの団子汁が、あまりにも美味しいので、いくらでも食べてしまうため、ご法度にしたから、という言い伝えがあります。他には「ほうとう」や「薄飩」(はっとん、うどんの原型となった古い菓子)から来ているという説があり、定かではありません。

水戸黄門脱帽したという「法度汁」、栃木県内の飲食店や食べられる機会があれば、ぜひご賞味されてはいかがでしょうか!

どまんなか たぬま:http://domannaka.co.jp/tour/gourmet-cooking/gourmet048


全国にはまだ、「まるで怪獣のような魅力的な名前を持つグルメ」(まる怪グルメ)がたくさんあります!

次はあなたの街の「まる怪グルメ」をご紹介するかもしれません! (情報をお寄せください!)

それでは!