【11/30まで受付中】「ウルトラマン」を超える作品を募集中の金城哲夫賞 中島かずきさんたち審査員のもの作り論と応募者へのアドバイスとは?

このエントリーをはてなブックマークに追加

 CIMG9018_s
■「ウルトラマン」を超える作品を生み出すには? 各界の著名人による作品作りのアドバイスに注目

11月3日(木・祝)、東京国際映画祭にてイベント「ウルトラマンシリーズ放送開始50年特別企画:脚本家・金城哲夫」が開催されました。

「ウルトラマン」シリーズを生み出した脚本家・金城哲夫さんの功績を称えつつ、その「ウルトラマン」を超えるような作品を生み出すべく今年新設された「円谷プロダクションクリエイティブアワード 金城哲夫賞」。ウルトラマンを倒した怪獣・ゼットンも登場した本イベントでは、金城さんが手がけた作品のダイジェスト映像の上映と、審査員を務める4名(大友啓史さん、高橋洋さん、田中芳樹さん、中島かずきさん)を交えたトークセッションが行われ、それぞれの作品作りに関する言及がなされるなどクリエイター必見の内容となりました。本記事ではその模様をお届けします。

CIMG8964_s

「金城哲夫賞」を創設した株式会社円谷プロダクション代表取締役社長の大岡新一さんによる挨拶でイベントはスタート。円谷監督のもとに集まった才能と情熱を持った若者の1人が金城さんであり、50年続くシリーズの礎を築いたということに敬意を表しつつ、過去の作品にすがることなく、円谷プロダクションは新たな作品を生み出していくという姿勢を表明されました。

CIMG9127_s

「劇団☆新感線」の座付作家を務め、TVアニメ「天元突破グレンラガン」や「ウルトラマンマックス」の脚本も手がけた中島かずきさん。金城哲夫さんの創作ノートについて司会者に尋ねられ、50年前の時点で海外戦略を念頭に入れており、誰が見ても分かりやすいようにフォーマットを作っていることが素晴らしいと話されます。

「劇団☆新感線」に関して、演劇界からこれは演劇ではないと言われるも、エンターテイメントとして王道であることを意識して取り組んでいるとして、(演劇にこだわらず)自分が面白いと思ったマンガや映画に根付いた形で舞台の上でどこまで表現できるかに挑戦した。自分が信じるものをエンターテイメントとして出すことが大事なのだと訴えました。

CIMG9069_s

「銀河英雄伝説」の著者・田中芳樹さん。読売ジャイアンツが人気全盛の頃にご自身が阪急ブレーブスのファンだったと語りつつ、少数派だからこそ正しいというわけではないが、そういう言い分があるということをきちんと抑えていて心に刻まれたと、金城作品について指摘されました。

「銀河英雄伝説」は書きたいものを書いていたと振り返りつつも、お金を出してくれる読者が満足してくれることは別物なので、そのことも考えなくてはならないと話され、なるべく多めに量を書いて既定の範囲に縮めることが必要。物を書くということは、何を書くかというより何を書かないかが大切である、エンターテイメントを作るうえで絶対にやってはいけないことは「弱い者いじめ」で、それさえ守れば多少ルールに反しようとも、長所しかないキャラクターより欠点があるキャラクターが受け入れられる、など応募者への具体的なアドバイスが披露されました。

CIMG9094_s

「リング」などジャパニーズホラー作品の脚本を多く手がける高橋洋さん(上記写真右)。「ウルトラマン」には、「ジュワ!」など子どもたちがマネしたくなるフレーズなどたくさんの発明が盛り込まれているが、金城さんがほかの脚本家を束ねるうえでブレないものを持っていたので、同時多発的に生まれた感じがすると回答されました。

「リング」制作時の戦略について触れられ、人間がもっとも怖いのは死ぬことという常識があるが、その常識を疑い突き詰めていき、それよりも怖いものとして「幽霊」を描いた、と振り返ります。そのうえで、怪談映画のように記号的な表現をせず、何が出てくるか分からないリアルな「幽霊」を描いたのだと話されました。

CIMG9115_s

大河ドラマ「龍馬伝」や、実写映画「るろうに剣心」シリーズを手がけた大友啓史さん(上記写真右。左は司会の清水節さん)。創作ノートに書かれたことは、抵触さえしなければ何でもやっていいという宣言だったのではないかと感想を述べ、ルールさえ守れば何をやってもよく、自由に作り手を刺激的に解放させており、とてもインターナショナルなものであると語られました。

1963年から続くNHK大河シリーズを「龍馬伝」でぶっ壊そうというコンセプトを持っていた大友さん。初期の大河ドラマには、明確なルールはあるも全員が何かを探しているエネルギーやパワーを感じることができたが、その後の大河ドラマの作り方がルーティン化しているのがたまらなくイヤだったと話し、「坂本龍馬」という人物は革新をテーマにしているのだから作り手側もそうしなくていいのか? と思っていたと語ります。何がいいのか分からないでやっていたTVの創世記に戻って、守るべきものと壊すべきものを見極めて突き詰めよう、というのが大河をぶっ壊せという真意だったと明かしました。

最後に応募者へのメッセージを求められ、中島さんは「いまの時代は現実の方がフィクションを超えているが、どんな事件が起きても人は理由を求めている。それは人は自分の腑に落ちる物語を探しているからであり、人は他者と理解をしてつながるために物語を通じる必要があると思っているので、現実と向き合うために自分がどういう物語を信じて生きているのか? それをぶつけてきて欲しい」と語られました。

「金城哲夫賞」は11月30日(水)まで受付中です。こちらの公式サイトの募集要項をチェックして、ぜひニッポンを代表するヒーロー「ウルトラマン」を超えるような本気の作品を応募してください!

null
第29回東京国際映画祭公式サイトはこちら
開催期間:2016年10月25日(火)~ 11月3日(木・祝)
開催会場:六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区) ほか 都内の各劇場および施設・ホールを使用

映画祭の魅力や楽しみ方はこちらの記事をご参考ください。

前の記事へ

「ウルトラマン」と同じく50周年を迎えた国立劇場 文楽で楽しむ「忠臣蔵」公演が12月に開催!

「ウルトラマン」と同じく50周年を迎えた国立劇場 文楽で楽しむ「忠臣蔵」公演が12月に開催!

次の記事へ

【ガルパンもウルトラマンもいいぞ】大洗大使・蝶野正洋さんインタビュー 好きな「ウルトラマン」シリーズとオススメの大洗観光スポットとは?

【ガルパンもウルトラマンもいいぞ】大洗大使・蝶野正洋さんインタビュー 好きな「ウルトラマン」シリーズとオススメの大洗観光スポットとは?

関連記事RELATED ARTICLE

【シン・日米怪獣王対決】あの「キンゴジ」が色鮮やかに蘇る! 中野昭慶特技監督と町山智浩さんのトークショー付きで11/1上映

東京国際映画祭のエース・矢田部吉彦さんインタビュー 映画の魅力を伝える仕事と後悔しない生き様とは?

「生きるということに涙があふれてくる作品です」 のんさん主演のアニメーション映画「この世界の片隅に」

東京国際映画祭開幕! 安倍首相や黒木華さんが登場した豪華レッドカーペットをレポート

岡山県で描かれる映画に斎藤工さんと高梨臨さんが出演 明かされた赤磐市での撮影秘話とは?

東京国際映画祭ならではの素敵な光景 アジアでともに生きる人々を描いた映画とは?

映画を通じてアジアの文化を受け入れる大切さ 行定勲監督も参加する映画プロジェクトとは?

東京タワーと一緒に映画を楽しむ! 開放感いっぱいの野外上映会に行ってみた

歌舞伎座で古舘伊知郎さんが喋り倒す! 「同時通訳なんてできる訳ないですから、とにかく喋りまくって、脱線もします」

キーワードKEY WORD