「出たな!ケントン!これでも食らえッ!」 ウルトラ【まる怪】グルメ 第19回〜岐阜編〜 | ウルトラJ

ニッポンのウルトラなものを日々調査している「ウルトラJ」編集部より、ご当地グルメ担当のメロス山本隊員が見つけた「まるで怪獣のように魅力的な名前を持つグルメ」略して《まる怪グルメ》3選をお届けします!

こんにちは! メロス山本、略してメロスです!

これまでに日本各地の「まる怪グルメ」を探訪してきましたが、いやあ、この広い日本には、まだまだあるもんですねえ。

「まるで怪獣のように、魅惑的で強烈な響きを持つ名前の食べ物」が。

というわけで…今回は、岐阜県! 岐阜といえば、大ヒットアニメ映画「君の名は。」にも登場した、古い町並みが残る飛騨高山や、合掌造りで有名な世界遺産「白川郷・五箇山」、鵜飼の長良川、織田信長が築いた岐阜城、天下分け目の戦いの舞台「関ヶ原」など、多くの観光地を擁する観光県! 「飛騨牛」や、「鶏ちゃん」、「みだらし」など、ご当地グルメにも事欠きません!

また、敵の心を読む妖怪・サトリや、日本神話に登場する二面四臂の鬼神・両面宿儺(りょうめんすくな)といった奇々怪々たる伝説の宝庫でもあります! そんなグルメの楽国・岐阜なら、きっとまるで怪獣の名前のような「まる怪グルメ」もいっぱい見つかるでしょう!

たとえば、この「ケントン」のように!

1.「ケントン」登場
私がウルトラマンレオなら、思わず、

「出たなケントン! これでもくらえ!!」 

と、ボディブーメランで攻撃してしまいたくなる怪獣ネームですが、じつはこれは別に侵略植物怪獣の名前などではありません。

このケントンはそんな恐ろしい怪獣ではなく、岐阜県が誇る名産グルメの名前なのです。

それではケントンさん! どうぞ!!

飛騨美濃けんとん
出典:http://www.yoro-meat.co.jp/about_kenton/
まる怪グルメその76
「飛騨・美濃けんとん」(飛騨・美濃地方)

これが……ケントン!?

まるでアストロモンスのお腹のお花のようにビビッドな肉色カラー!

しゃぶしゃぶにしたら、メッチャ美味しそうです!

この「けんとん」、お肉であることは一目瞭然なのですが、一体、どういう意味なのでしょうか!?

はいッ!

「けんとん」とは、「健康な豚肉」という意味で名付けられた、岐阜県の誇る豚肉のブランド!

生産地域によって「飛騨けんとん」「美濃けんとん」と呼び分けられますが、同一のブランドです。なんだか「ヒダケントン」「ミノケントン」とも、怪獣ネームとしては強力な響きをもっていますね。「飛騨・美濃けんとん」とも呼ばれるようですが、「ヒダミノケントン」……なんだか合体怪獣みたいです。

「けんとん豚」とも言うようです。「ケントントン」ではなく、「ケントンブタ」のようです。ケントントンだと、まるで宇宙から来た緑色の変な生物みたいですからね。岐阜県で「お肉」というとやはり「飛騨牛」が有名ですが、豚肉ではこの「飛騨・美濃けんとん」もおいしいお肉として有名です。

その秘密は、「けんとん豚」。特徴的な「ヨモギ」入りの餌を食べて育っています。豚はヨモギが好きで、食べると食欲増進の効果があり、健康な豚になるのだとか。また、ビタミンEを与えられているので、肉の鮮度が落ちないのだそうです。そんな健康に育った「けんとん」は、やわらかく、あっさりしたお肉。しゃぶしゃぶやトンカツ、トンテキ、ポークソテーなど、さまざまなお料理に適しています。

岐阜県内の飛騨や美濃地区の飲食店で味わうことができますので、岐阜においでの際は、ご賞味してみてはいかがでしょうか。

飛騨けんとん・美濃けんとん普及推進協議会:http://hida-mino-kenton.com/

2.「エンチャンボー」登場
エンチャンボー……!
これは……なかなかミステリアスな怪獣ネームです。

ゲームをされる方ならご存知かもしれません。エンチャントというのは「魔法をかける」「魔法をかけたように魅了する」という意味の英語なのですが、「エンチャンボー」というと、なんだかハリー・ポッナントカとか、灰色のガンダナントカなんかが持っている魔法の杖のようなものをイメージしますね。

怪獣だとしたら、おとぎ話系の怪獣、魔法使い怪獣のような感じなのかもしれません。

岐阜のグルメだという「エンチャンボー」、どんな魔法で私たちを魅了してくれるのでしょうか?

それでは…

ちちン、ぷいのぷい!

円ちゃん棒
出典:http://plaza.rakuten.co.jp/machi21seki/diary/201011020000/
まる怪グルメその77
「円ちゃん棒」(関市)

こ、これがエンチャンボー!? 確かに、魔法の杖っぽいといえば、そういえるかもしれませんが……どちらかというと棍棒……同じ「おとぎ話系」の怪獣でも、オニオンやオニバンバの方がお似合いの気がします。

それにしても、円ちゃん棒…う、うまそう! 

しかし、一体どういう名物なのでしょうね!?

はいっ!

「円ちゃん棒」(えんちゃんぼう)とは、岐阜県関市の大人気ご当地グルメ料理! 

…でした!!

「でした!!」と過去形で言ったのは、ちょっと意味がありまして……。

実は、この「円ちゃん棒」は、「関の孫六」などの日本刀をはじめとする刃物の名産地・関市の名物グルメとして、今から20年前 の1995年に発案されたのですが……。

岐阜出身の流浪の仏師・円空さんにちなんだ「円空さといも」と地元ブランド米「みのにしき」のご飯、それに美濃名産の「奧美濃古地鶏(おくみのこじどり)」の鶏肉などをつくね状にして、棒状にしてカラッと揚げ、甘辛いタレで味付けしたもの。カリっとした外側と、とろりとした中身の食感が大好評で、イベントなどでは売り切れになったりもしたそうです。

一時期は多くの店舗が「円ちゃん棒」を提供していたのですが、現在では常時提供しているのはただ一軒、「とろろ庵四季」さんのみになってしまったのだとか。この「円ちゃん棒」の現状は、新聞にも「絶滅危惧種」に例えられ「『円ちゃん棒』の伝統を絶やすな」と記事に取り上げられています。

これは…我が「まる怪グルメ」としても、ぜひとも応援したい!! みなさんで「円ちゃん棒」を盛り上げようではないですか!

「円ちゃん棒」は「人を魅了する魔法の棒」! 「縁」結びにもいいはず!(きっぱり)! きっと愛しい人と二人で「円ちゃん棒」を食べれば、魔法が起きるにちがいありません!!

奇跡も魔法もあるんだ棒!

というわけで、岐阜県関市に行かれた際には、ぜひ「円ちゃん棒」を、愛しい人と一緒にご賞味してみてはいかがでしょうか!

たびものがたりin関:http://sekikanko.jp/modules/content/index.php?lid=20

3.「イジラレンガキ」登場

「イジラレンガキ」……!

なんだか、すごい名前ですね…。イジラというのがすでに怪獣っぽいのもありますが…。

何か気軽にイジることができない、すごい重厚なオーラを持っているアンタッチャブルなお子さまのようなお名前です。

子どもなのに、宇宙拳法の達人とか、ものすごい必殺超能力を持っているとか、父親とともに数々の修羅場を乗り越えてきたおかげで生死を超越した眼力を持っているとか…そんなエキセントリックな少年、ウルトラなボーイのことなのかもしれません。

さて、そんなイジラレンガキ 、いったいどんなグルメなんでしょうか!

では! 先生! どうぞ!
伊自良連柿
出典:http://nagaragawa.onpaku.asia/programs/575a94b37777771831040000
まる怪グルメその78
「伊自良連柿」(いじられんがき)(岐阜県山県市)

こ、これがイジラレンガキ!?

まるで科学特捜隊のおろしたてのユニフォームのように鮮やかなオレンジ色! これは、柿! しかし、すごい量です…いったい、これは…!?

はいっ!

「伊自良連柿」(いじられんがき)とは、岐阜県山県市の旧・伊自良村にしか生育しない珍しい「伊自良大実」(いじらおおみ)という品種の渋柿で作られる、伝統的な干し柿のこと。イジラオーミという品種名も、また怪獣っぽい響きでいいですね。

その伊自良大実柿を竹串に3つ刺してたものを、藁で編んだ干したものが伊自良連柿。1つの串にある3つの柿は「親・子・孫」の三世代を表します。子孫繁栄を祈念するお正月飾りの縁起物として全国的から注文があるそうです。長良川支流の清流・伊自良川が流れる伊自良地区では、毎年11月の下旬になると、村中が鮮やかなオレンジ色に染まります。すべて手作業で皮をむかれた柿は、串で3つずつ刺され、それを連ねて「柿のれん」と呼ばれる形に縦に連ねられます。

そうやって、一ヶ月の間、寒風の中で干された柿は、本来の甘さを呼び覚まされ、とても美味しい干し柿になります。伊自良連柿の最大の特徴は、じつはこの「おいしさ」にあります。子孫繁栄を願うための「飾り」としてだけではなく、柿本来の「食べ物として、とても美味しい干し柿」、それが「伊自良連柿」なのです。

岐阜県山県市の伊自良地区では、11月下旬から冬の風物詩「柿のれん」でオレンジ色に染まった村をめぐるツアーなども企画されており、観光客やカメラマンなどに好評を得ているそうです。来年のお正月のお飾りには、伊自良連柿をお求めになってみてはいかがでしょうか。

てんこもり伊自良:http://tenkomori-ijira.com/

全国にはまだ、「まるで怪獣のような魅力的な名前を持つグルメ」(まる怪グルメ)がたくさんあります!

次はあなたの街の「まる怪グルメ」をご紹介するかもしれません! (情報をお寄せください!)

それでは!

プロフィールPROFILE
山本メロス
子どもの頃、ウルトラマンの当て物カードとウルトラマンの怪獣消しゴムを隣の兄ちゃんにもらったことで、ウルトラマンの世界にドップリはまり、ケイブンシャの「全怪獣怪人大百科」を暗記するほど愛読。
田舎者のため、アンドロメロスとウルトラマンキッズが見られず悲しみというものを知った。
学生時代はブースカのソフビとともに登校。
好きな怪獣は恐竜戦車。好きな快獣はブースカとチャメゴン。
好きなウルトラマンはウルトラマンキッズの「ルーキー」。