「出たなタイレッドン!これでも食らええッ!」 ウルトラ【まる怪】グルメ 第5回〜愛媛編〜 | ウルトラJ

ニッポンのウルトラなものを日々調査している「ウルトラJ」編集部より、ご当地グルメ担当のメロス山本隊員が見つけた「まるで怪獣のように魅力的な名前を持つグルメ」略して《マル怪グルメ》5選をお届けします!

こんにちは! メロス山本、略してメロ山です!

これまでに北海道と熊本県、岡山県、群馬県と、各地の「まる怪グルメ」を探訪してきましたが、いやあ、この広い日本には、まだまだあるもんですねえ。

「まるで怪獣のように、魅惑的で強烈な響きを持つ名前の食べ物」が。

というわけで…今回の舞台は愛媛県!

愛媛というと、伊予の国! いよかんやみかん、「ポンジュースが出る水道」といったフルーツ関係のものだけでなく、瀬戸内の新鮮な海産物、それに「日本書紀」にも登場する我が国最古の温泉・道後温泉、夏目漱石の「坊ちゃん」など、さまざまな名物が思い浮かびますが、それだけにやはり、この地にも《まる怪グルメ》はたくさんあるに違いありません!

たとえば、この、怪獣としか思えない「タイレッドン」のように!

1.「タイレッドン」登場
私がウルトラマンタロウなら、思わず、

「出たな最強怪獣タイレッドン! これでも喰らえええッ!」 

と、決死のウルトラダイナマイトを仕掛けてしまいそうな、最強怪獣チックな名前ですが、実はこれ、怪獣の怨念が集まって誕生した最強の暴君怪獣などではありません。

この「タイレッドン」はそんな恐ろしいものでは全然なくて、愛媛県のB級グルメの名前なのです!

「タイレッドン」!

なんという最強怪獣感……今でもボスキャラ的役割を演じることが多い「暴君怪獣 タイラント」に、さらに「どくろ怪獣 レッドキング」と「地底怪獣 デッドン」のイメージを加え、さらに怪獣と見たらた襲いかかり殲滅せねば気が済まない「赤いあいつ」の魂が乗り移ったような、そんな小学生の「ぼくの考えた最強怪獣」のような強力な名前を持つ、グルメの正体と、その味とは…?

出典:http://www.shikoku.gr.jp/file/show/1919.jpg?width=600&height=450&resize=fixed&1392812683
まる怪グルメその21 

「タイレッ丼」(愛南町)

おお! こ、これが、タイレッドン!

この「ババルウ星人」ババリュウ先輩の金髪のような卵とじ!

これが「タイレッ丼」!

……で、「タイレッ丼」て、「なに丼」?

はい。

「タイレッ丼」は宇和海産の「真鯛」をカツにしたもの!

そして、なんと、愛南町の船越小学校の小学生が考案したメニューなのであります!

愛南町の小学校には『ぎょしょく教育』というカリキュラムがあり、小学生は魚についていろんな事を学び、親しんでいるのですが、

その中で日本一の生産量を誇る養殖真鯛を使ったメニューを「船越小学校」の児童が考え、誕生したのが「タイレッ丼」、というわけです。

なるほど! 鯛の「カツレツ丼」だから「タイレッ丼」か!

と思っていたら、どうやら、そういうわけではないようです。

もともとあった愛南町の水産物キャラクター『ぎょしょく普及戦隊愛南ぎょレンジャー』に、鯛をイメージした『タイレッド』というキャラクターがあり、そこからとったそうです!

愛南町の海で育った天然物にも引けをよらない、真鯛。

それに地元産の香り高い大葉を巻いて揚げてあります。

さっぱりとして、食欲をそそる、老若男女におすすめのメニューです。

愛媛県最南端の愛南町にお立ち寄りの際は、ぜひその味をお確かめください!

温泉&レストラン ゆらり内海(うちうみ)
愛媛県南宇和郡愛南町須ノ川286
電話番号 0895-85-1155
http://www.yurariuchiumi.com/restaurant.html

いよ観ネット
http://www.iyokannet.jp/front/gourmet/detail/gourmet_id/280

2.「センザンキ」登場
「センザンキ」……

こ、これは! ちょっとカッコイイ響き!

「ウルトラマン」シリーズの中でも、少数派ながら、絶大な存在感を放つ「漢字系怪獣名」の匂いがしますよ!

「漢字系怪獣名」の代表といえば、やはり『セブン』の「恐竜戦車」!

そして『ティガ』の「宿儺鬼(すくなおに)」、『コスモス』の「呑龍(どんりゅう)」、『ダイナ』の「姑獲鳥(こかくちょう)」といった、妖怪系の怪獣群!

この「センザンキ」も多分、「戦斬鬼」みたいな漢字表記で、一人称は「拙者」な、そういうクールジャパンな怪獣に違いありません! 

あるいは、動物のセンザンコウのように、全身を鎧に包んでいるのかも!

うう、楽しみっ!

では、「センザンキ」さん、どーぞ!

ザーン!

senzanki
出典:http://www.tj-matsuyama.com/?p=16732
まる怪グルメその22

「せんざんき」(東予地方)

こ、これが「センザンキ」!

そう! この「せんざんき」は醤油や料理酒、生姜、にんにくなどの漬け汁に、鶏の骨付き肉を漬け込んで下味をつけ、骨ごとカラッと油で揚げたもの。

もともとは雉の肉を揚げたものだったとも伝えられています。

気になるこのネーミングについては

・骨ごとぶつ切りにしたから「千斬切」

・「せんざん雉」という雉を料理したから

・千利休の子孫が作ったから「千さん雉」

・中国語由来

等々、諸説あります。

この「センザンキ」は今治市を中心とした東予地方の名物郷土料理ですが、新居浜市では「骨なし肉」を揚げたものを「ざんき」と呼ぶそうです。

北海道のザンギとの関連性も興味深いですが、食べ比べてみても面白いかもしれませんね。

●いよ観ネット

3.「ブリッテラ」登場
「ブリッテラ」!…これも強そう!

テラっていうのは「地球」、そして数の「1兆」のことですから、やはりスケール感が違いますね。

地球を食べたり、1兆度の火炎を吐くかもしれません!

『ネクサス』には「グランテラ」っていう怪獣も出てきましたが、強敵でしたし…

しかし、最近のヤングは「ぶりっ子している」ことを「ぶりってる」というのがナウいそうですので、案外、ぶりぶりのお笑い系怪獣かもしれません。

それでは、この「ブリッテラ」、一体、どんなグルメなのか、見てみましょう!

「ドン!」

ブリッテラ
出典:http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000010726.html
まる怪グルメその23

「ぶりってら」(宇和島市戸島)

おお! これがブリッテラ!

鯖の押し寿司「バッテラ」ならぬ、ブリの押し寿司「ぶりってら」っていうことですね。

宇和島市の小さな島「戸島」の名物は養殖のブリ。人口500人の小さな島ですが、

全国でもトップレベルの生産量を誇ります。

この「ぶりってら」は、その戸島の女性たちが開発した、ご当地グルメなんですね。

宇和海の速い潮流に揉まれて育った戸島ブリは、身も引き締まっていて、押し寿司に最適!

酢で〆たブリ、地元産の大葉と、塩漬けの大根、酢飯にはゴマや甘酢生姜の刻んだものなども入っており、ついつい手が伸びるやめられない美味しさです。

魚臭くなく、酢を控えめにしてありますので、魚が苦手な子どもにも大人気で、万人に愛される味になりました。

宇和島市の戸島に行かれた際は、ぜひとも召し上がってみてはいかがでしょうか。

●いよ観ネット
http://www.iyokannet.jp/front/gourmet/detail/gourmet_id/71

4.「ホングエ」登場
「ホングエ」……これはちょっとアジア映画の怪獣名の響きがありますね…。
勝手に想像するに、きっとキングコングのような動物系の怪獣ではないでしょうか!

香港の九龍城をぶち壊そうとして、蘇って巨大化したブルース・リーにやられるような、そんな怪獣を思い浮かべてしまいます!

それでは、見てみましょう!

いでよ「ホングエ」!

ホングエ
出典:http://www.shikoku.gr.jp/gourmet/71
まる怪グルメその24

「本グエ」(宇和島市)
こ、これが…「ホングエ」!

「クエ」といえば

「クエを食ったらほかの魚はクエん」

といわれるほど、美味なことで有名な高級魚です。

宇和島市の広沢水産は、それまで天然では「幻の魚」といわれるほど流通量が少なかった「クエ」の養殖に成功。『本グエ』という名前を商標登録して、TVコマーシャルを流すことで、ブランド化に成功し、日本一のシェア誇っています。

この「本グエ」は、流れの速い宇和海でサバやアジなどの生の餌をたべて、限りなく天然のクエに近くなるように育てられ、一匹一匹にタグを付けて管理も徹底されています。

そして……

クエ2
出典:http://xn--h4tr3of1ehqbn51gzcl.com/ehime-kue/

刺身も絶品ですが、やはりクエというと鍋です。

脂の乗ったクエは「旨みのかたまり」と言われ、頭からしっぽまで、全部がおいしく、その皮もコラーゲンたっぷりで一品料理の材料になっています。

昆布で出汁を取り、ポン酢で食べる本グエのクエ鍋。その身は歯応えがあり、噛むたびにその風味が口の中に広がります。

宇和島では、クエ鍋はちゃんぽんの麺で締めるのが普通です。

クエは冬の魚ですが、養殖の本グエは年間を通して味わうことができますので、宇和島を訪れた時は、ご賞味されてはいかがでしょうか。

広沢水産
愛媛県宇和島市大浦甲1748-19
0895-23-2641
http://www.hirosawasuisan.com/

5.「アイナンヒオウギ」登場
さて、愛媛県の「まる怪グルメ」もこれが5つめ。

「アイナンヒオウギ」です。

「ひおうぎ」っていう語感は……何だか「秘密の奥義」……怪獣、というよりも、なんだか世紀末救世主伝説っぽくもありますね。

さあ、愛媛県で話題のグルメ、「アイナンヒオウギ」とは、一体なんでしょうか!

それでは、見てみましょう!

アタァ!

ヒオウギs
出典:http://www.shikoku.gr.jp/gourmet/69
まる怪グルメその25

「愛南ヒオウギ」(愛南市)

おお、これが「アイナンヒオウギ!」
まるで「サイケ宇宙人ペロリンガ星人」なみに超カラフルです!

「愛南ヒオウギ」は、愛南市で取れる「ヒオウギ貝」という貝をブランド化したもの。

形はホタテにそっくりですが、やや小さく、その特徴はなんといっても鮮やかな色彩の貝殻です。

ヒオウギは漢字で書けば「緋扇」。

たしかに、カラフルな扇といった感じですね。

もともと、愛媛県の南予地域は、真珠の養殖が盛んだったのですが、平成6年に真珠養殖に使うアコヤ貝が大量に死滅してしまいました。

その時、副業として発案されたのが、もともとアコヤ貝と一緒に穫れていたヒオウギ貝を出荷することでした。

ヒオウギ貝は、オレンジ色、黄色、赤、紫、青などカラフルな貝殻が特徴です。

もちろん、この色は人の手で塗ったものではなく、天然のものです。

綺麗なだけじゃありません。

その味は、あっさりしており、ホタテよりも甘く、歯ごたえがあります。

焼き物、煮物、揚げ物、刺身、炊き込みご飯などにも最適。

おいしく食べた後は、その美しい色とりどりの貝殻をインテリアとして、お部屋に飾ったり、海の材料を使ったアート作品づくり「シーボーンアート」を楽しむこともできます。

通信販売もできるようですので、目を楽しませ、舌にカラフルなグルメを味わってみてはいかがでしょうか。

●愛南漁業協同組合 内海支所
愛媛県南宇和郡愛南町柏崎536
0895-85-0304

全国にはまだ、「まるで怪獣のような魅力的な名前を持つグルメ」(まる怪グルメ)がたくさんあります!

次はあなたの街の「まる怪グルメ」をご紹介するかもしれません! (情報をお寄せください!)

それでは!

プロフィールPROFILE
山本メロス
子どもの頃、ウルトラマンの当て物カードとウルトラマン消しゴムを収集し、ケイブンシャの「全怪獣怪人大百科」を愛読。
好きな怪獣は恐竜戦車。好きな快獣はブースカとチャメゴンとカモスケ。
好きなウルトラマンはウルトラマンキッズの「ルーキー」。